Elodie Rodriguez, Consultant
2020年4月1日

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少なくとも二人に一人の消費者は、できれば環境への配慮が行き届いた会社から購入したいと考えていることが分かっています(ニールセン調べ)。具体的には、Z世代(1990年代後半から2000年代初め頃に生まれた世代)は、特定のサスティナブル(持続可能な)製品に最大で10~15%を追加で支払う用意があります(NDPグループ調べ)。

地球にとって幸いなことに、環境イニシアティブは多くの企業にプラスの影響をもたらします。

1. 好奇心を刺激し、新製品開発につながります
2. ブランドは輸送、廃棄物処理、紙のコストを削減できます
3. ローカルでの調達が効率性向上をもたらします
4. 企業に対する注目が高まり、PR上優位なポジションを獲得できます

しかし一方で、消費者のほぼ50%がサスティナブル製品を購入したがらない理由も明らかです。毎週の買い物で15%多く支払うことを購買者に依頼することは、広い目で見ると現実的ではありません。

このことが、一部のブランドが環境面でのメリットがあるにも関わらずあまり乗り気でない理由になっています。


では、ブランドは破産することなく、消費者のサスティナブル製品購入を促進するためにもっと投資をすることはできるのでしょうか?


端的に回答すると、答えはYesです。

ロイヤリティプログラムを活用すれば効率的に実現することができます。オンライン、オフライン両方の店舗を持つ企業であれば、オンラインではなく店舗で購入した場合、あるいは宅配の代わりにクリック・アンド・コレクトを介して注文した場合に、ロイヤリティプログラムで割引、または追加ポイントを付与するようなことができます。企業としては、ポイント付与によるコストよりも大きく輸送コストを削減することができます。

更に、顧客に報酬を与えることで、ブランドはより高いブランド支持とエモーショナルなロイヤリティを得ることができるでしょう。

米国のマリオットホテルでは、ゲストが4日間のホテル滞在中にハウスキーピングサービスを辞退した代わりに、ロイヤリティカードに1,500ポイントをプレゼントしました。非常に満足した顧客は、このニュースをタダでSNSにてシェアしてくれますから、マリオットは運用コスト削減にもつながるのです。

イギリスでは、プレタ・マンジェが、独自の再生可能なカップでホットドリンクを購入する顧客に50ペンス(約65円)を提供しています。小さな貢献のようですが、大きな影響があります。2019年には500万ポンド(約6.5億)を節約し、プレタ・マンジェのカップ1,000万杯分節約したことになります。(プレタ・マンジェ2020より)

環境に配慮した顧客に報酬を与える効果は、プレタ・マンジェの顧客がお金を節約できることだけではありません。「正しい」選択をしたことで個人的な満足感を得ることもできます。そして、これはブランドと顧客の間にエモーショナルなつながりを構築するのにも役立ちます。
マーケティング担当者なら誰もがご存知のとおり、ブランドと消費者をエモーショナルに結びつけることは重要です。

ハーバード・ビジネス・レビューによると、エモーショナルなつながりをもつために投資された顧客は、単にブランドに満足しているだけの顧客よりも、収益が25%高くなります。ですから、サスティナビリティに対して消費者に報酬を与えることがエモーショナルなロイヤリティを高める場合、これを推し進めることは理にかなっています。


消費者がサスティナブルな習慣を維持するよう奨励したいと思ったら、何が彼らの動機づけになるのかを理解する必要があります。つまり、現在バイアスです。


現在バイアスは、将来の利益よりも現在の利益に過度の重みづけをする傾向があるという心理現象です。一般的な例として、今1万円もらえるのと、来年1万2千円もらえるのとどちらが良いかと問えば、たいていの人は今1万円もらえることを選ぶというものです。私たちは将来の利益よりも即時の満足に関心があるからです。

そこで、顧客を後押しするためには、すぐに何かを返す必要があります。たとえば、サスティナブルなものに投資した人には、ロイヤリティカードのポイント割引やポイント付与を即座に行うことです。(次回購入時の割引を提示しても、顧客の購買行動に影響を与えることにはなりません。)

報酬を与えるのは企業負担が大きすぎるという場合は、小額から始めます。3日以内の配送ではなく翌日配送を選んだり、クリック・アンド・コレクトではなくオンライン配達を選択したりすることで、環境に対してどれだけ影響があるのかを示して、ブランドの環境に対する考え方を顧客に教育することにフォーカスするのです。環境汚染を増やさないための意識を高めることで、ブランドイメージも全体的に向上させることができます。


より多くのブランドが「グリーン」になるにつれて、サスティナビリティはもはや特異な提案ではなくなり、期待につながるでしょう。


最近の調査によると、消費者の88%は、環境や社会への影響を改善しようとしていないブランドに対して失望を覚えるということです(フォーブス2018)。この割合は、より多くのブランドがサスティナビリティに取り組めば更に増加し、グリーンであることが当たり前になっていきます。

したがって、まだ取り組んでいない場合は、カスタマエクスペリエンスにサスティナビリティ・イニシアティブを取り込む方法を模索してください。ブランドロイヤリティに対するイニシアティブの影響を定量的に計測できるようなKPIを設定しましょう。そして、サスティナビリティをブランドのルック・アンド・フィール(見た目や感じ)に統合して、一貫性を保つようにしてください。

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