By Renea Keish, Vice President, Strategy

2019年5月1日


マーケティング活動において、顧客との接点となっている各マーケティングチャネルの費用対効果に満足している企業はどれほどいるだろうか。思っていたほどの効果が得られていないと考える企業は多いのではないだろうか。もしあなたがマーケティング担当者であれば、マーケティング予算は常に節約される対象になるということを実感しているだろう。一方でマーケティング予算はいくらあっても十分ということはない。すなわち、チャネルミックスを最適化するためには、チャネル毎の投資費用と投資利益率の両方を把握する必要がある。それによって、最終的にマーケティング費用を各チャネルにどのように「バランス良く」(最も効果があるように)配分するべきかを導きだすことができる。


チャネルの最適化を進める上で、まずは現在採用しているチャネルごとに評価することから始める必要がある。


注釈: チャネル別のROI(投資収益率)を正確に把握するためには、企業の売上要因に対する捉え方(例:1つの顧客接点を流入元とする/複数の顧客接点を流入元とする)を把握することが重要である。そして、それを念頭にどのチャネルが収益をもたらしているかを正確に把握して、投資の優先順位を決定する。



モバイルファースト


スマートフォンをはじめとするモバイル端末への対応は、チャネルの最適化を正しく行う上で必須であり、最初に着手すべき事項であることは今や常識になりつつある。PCでできることはスマートフォンでもできる。「スマートフォンは私達の生活の中心になりつつある」。チャネル最適化は、この事実を認識することから始まる。



モバイル体験を向上させるためには?


画像の鮮明度、テキストの可読性、大きいメニューボタン、表示速度、ポップアップ制御、動画が再生できる、画面サイズに適合するように拡大/縮小するレスポンシブサイト、わかりやすいナビゲーション。これらは全て重要な要素である。


以下に、あなたの企業がモバイルユーザーへ提供している体験を評価する、5つの簡単なステップから成るチェックリストを紹介する。iOSとAndroidの両方の端末で確認することを勧める。




見えないフェンスで見える成果を出す


小売店、食料雑貨店、ガソリンスタンドまたはファーストフード店などでモバイルを上手に活用している事例をあなたも体験したことがあるだろう。簡単、楽しい、そして便利なものはユーザーに受け入れられやすい。


チェックリストのステップ#3と#4に取り組んだ上で、モバイル体験をより向上させる施策としてジオフェンシングなどの拡張機能を取り入れても良いだろう。グローバル展開している小売団体のクライアントにて、ゲーミフィケーションを活用した販売促進キャンペーンで、ジオフェンシングを上手く取り入れている事例がある。彼らが実施したキャンペーンには、ショッピングモールの来店客にモール内の複数のお店を訪れるように仕向け、買い回りを促進し、売上向上を狙ったものがあった。ロイヤリティプログラムの会員は、キャンペーン対象店舗での購買でゲームの挑戦権を獲得できる。その中には、100万ポイントが当たるデジタルスクラッチゲームも含まれている。テクノロジーの向上により実現したこれらのサービスは、モバイル端末向けプラットフォームとの相性がとても良く、顧客エンゲージメントを最大化する。





「拡張現実」は新たな現実世界


モバイル体験を向上させたもう一つの事例として、米国セブン・イレブンのロイヤリティプログラム「7Rewards」での取り組みを紹介する。「モバイル最適化」チェックリストのステップ#1、#2、#5が満たされると、拡張現実(AR)を取り入れることが可能になる。ARにより一段と顧客エンゲージメントを向上させ、ユーザーがサービスを通して作成したコンテンツを活用することでさらにブランドとの感情的な結びつきを強化させる。セブン・イレブンが行った、映画Deadpool(デッドプール)とタイアップしたくじ引きキャンペーンでは、映画のキャラクターをARに登場させてインタラクティブなコンテンツでユーザーを楽しませ、店内での体験を高めるとともに、特定の商品を購入すると旅行、映画チケット、または100万ポイントなどが当たるくじ引きが引けるなど、販売促進に効果をもたらした。





モバイル最適化 = 今後の拡張に備える


モバイルを通して、顧客エンゲージメントを向上させ、顧客との真の繋がりを強化させる機会は無限にある。モバイルチャネルの投資収益率を高めるために、モバイル対応を講じることは費用を投入するに値する。企業は、適切なタイミングで先進的なモバイルテクノロジーを活用して、マーケティング活動の成果を増大できるようにモバイル対応をして備えておくことが必要である。